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鯛のお醤油

akiba_blog210728.jpg帯留「鯛のお醤油」

今となっては簡単に手に入るようなものですが、子どもだった頃は、駅弁に入って
いたりした鯛の形のお醤油は、ちょっと特別な感じがして、嬉しかったものです。

この他にも、クリスマスケーキの飾りのヒイラギや、パフェに添えられていた紙製の
小さな傘など、幼い頃の私の宝物の缶の中身は、この手のもので溢れていました。

非日常の、楽しい出来事に登場した物たちは、大人にはガラクタに見えるような
ものでも、子どもの目には確かに輝いて見えていました。

どんなものにも輝きを見い出せる気持ちだけは、忘れずに持ち続けたいものです。

「雀の婚礼」

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様々な草木が芽吹き始め、風が花の薫りを運んでくる季節になりました。

硬そうだった沈丁花の蕾がいつのまにか開き始めていたり、
雪柳の枝が細かな純白の花をつけ始めていたりと、
あちこちで春を感じるようになりました。

再びの緊張事態宣言の中、今まで以上に、作ることに集中できています。

頭の中に完成図があるものの、なかなかタイミングが合わずに
形にできていないものがありました。
雀のお雛様がその中のひとつ。

久しぶりに、心から、作ることに夢中になりました。

akibablog_210228_2.jpg※大きさのご参考に。



蓋物作品「金色の野に降り立つ」 

akibablog_201010.jpg蓋物作品「金色の野に降り立つ」 4.5 × 4.5 × 4.3 cm

以前横浜にあるビール工場に行ったことがあります。

ビールになる前段階の、麦汁を飲ませてもらう経験をした時、
「糖分がアルコールに変化する」という文字におこしてしまえば当たり前の現象を、
身を持って理解できたことに感動しました。

驚くほど甘くて苦い汁を飲んだ時、自分の中に舞い降りてきた感覚を表現しました。

蓋物作品「咖喱の旅」

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スパイスを見ていると心が浮き立ちます。
木の実や小石、ビーズやおはじきなど子どもの頃に集めた宝物に似た感覚かもしれません。

子どもの頃住んでいた場所の近くに、当時はまだ珍しかったであろうインド料理の店がありました。
ガラス越しに、まるいナンの生地を、のばしてタンドールに張り付けるのを夢中で見ていると、
インド人の職人さんがニコニコと笑顔で手を振ってくれたのを今でも覚えています。

カレーは、私にとってどこか秘密めいた感覚を思い起こさせる食べ物です。
植物の実や種や根や皮。それらを鍋で煮詰めてつくるカレーは、子どもの頃イメージしていた
魔女の姿そのもの。カレーを作る時は、魔法を使えるような気がして気分が高揚するのです。

スパイスが織り成す香りに酔いしれながら、気の遠くなるような時間をかけて、たくさんの人を介して、
運ばれてきた、いにしえの道に想いを馳せます。

蓋物作品「陽だまりの夢」


akibablog_200731.jpg蓋物作品「陽だまりの夢」 4.5 × 4.5 × 4.3 cm


向日葵ひとつの花からできる種は、大輪の花だと2000粒程にもなるそうです。

縞模様を纏った楽しげな種。

たった一粒の種の向こう側、青空に映える向日葵畑が目に浮かぶようです。