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蓋物作品「里山の秋」

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先月まで個展をしていた北澤美術館への道中、
軒先に柿が干してある家を、たくさん見かけました。

繋がってのれんのようになった、まだ鮮やかな色の柿の実。
乾燥した空気と寒さで、今頃は飴色に変化しているでしょうか。

「山のほうでは、猿がおりてくると困るので、
柿の木のある家は実を早めに採ってしまうんです。」
地元の方のお話に、その土地ならではの、暮らしの中での生き物との
関わりを感じとることができ、とても興味深かったです。

湖を囲む山々を眺めながら、そこにいるであろうたくさんの生き物たちの
暮らしを想いました。

そろそろ冬支度です。

akibablog_191128(2).jpg合わさるとこんな感じで、中に柿が隠れます。

個展終了の御挨拶

色づく山の木々
夕焼けに染まる山の稜線
まぶしいほどに輝く湖水
湖水に浮かぶオオバンの群れ
愛らしい姿の遊覧船
間欠泉から噴き出す温泉
もくもくとした湯気の上を優雅に舞う鳶
味噌の香り
新蕎麦の香り
きりっとした空気と、軟らかな味の水
酒蔵のある町並み
湖上に映るぼんやりと滲んだ月

往路で車窓から見た、近くに迫る山々や、谷に囲まれた景色に感じた畏れ

帰路で車窓から眺めた、新宿のビル街にふと感じた恐ろしさ

五感をめいっぱい研ぎ澄ますことができた、諏訪の旅

見たこと、聞いたこと、触れたこと、感じたこと、自分の足で確かにそこに立ったこと

自分の中に、かたちに残したい想いが増えてゆく

akibablog_191115.jpg蓋物作品「湖上クルーズ」

北澤美術館での個展の会期を、無事に終了しました。
会期中、台風による交通機関への影響があったにも関わらず、多くの方が足を
運んでくださり、作品をご覧いただくことが出来て、とても幸せに思っております。

足を運んでくださったお客様、北澤美術館の皆様、準備等ご協力いただいた
ギャラリー花影抄、作品を快く貸出してくださったコレクター様、家族、友人、支え
応援してくださっているすべての方に、この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。
どうもありがとうございました。

今回、私にとっては、いつになく広いスペースでの個展ということで、時間をかけて
準備をし、作品数を揃え、普段はなかなかできないボリューム感のある展覧会を実現
できたことに、達成感を感じ、とても良い経験をさせていただいたと思っております。

この経験を糧に、また新たな気持ちで、作品づくりに取り組んでまいります。